RPGでは、連れ去られたお姫様や村人を
ダンジョンから連れ出すようなシナリオ展開が
王道的なシーン展開としても上げられると思います。
そんなシーンを搭載しているRPGの中には、
救出したキャラクターがプレイヤーとともに移動してくれるような
演出を導入している作品もあります。
今回は、戦うキャラクターではないけど、
プレイヤーと一緒に並んで行動するような
キャラクター演出をツクールMVで再現できる
プラグインを紹介していきます。
NPCフォロワープラグインとは?
NPCフォロワープラグインとは、非戦闘メンバーが
操作するキャラクターの隊列に加わり、あたかもパーティに
いるように見えて、戦闘には参加しないようなキャラの動きを
導入することができるプラグインです。
国内のプラグイン制作者として人気の
トリアコンタンさんが制作・公開されているプラグインです。
■プラグイン公開ページ
NPCフォロワープラグイン | Delusional Field
導入に必要なもの
- プラグイン本体(上記公開ページでDLできるNpcFollower.js)
NPCフォロワープラグインじゃ上記サイトよりダウンロードできる
プラグインを使用するゲームプロジェクトに取りこみ、
ツクールMV上の画面で設定を行っていきます。
画像などは使用しませんので、このプラグインデータのみ
必要となります。
このプラグインを導入するとどんなことができるの?
このプラグインを導入することで、以下のような効果が狙えます。
- 戦闘には参加しないが、パーティ隊列に並ぶキャラ演出を導入できる
通常ツクールでは、パーティ隊列としてキャラが
参加する場合には、アクターを作成し、メンバー入れ替えで
アクターを追加する必要があります。
しかし、この方法では、隊列に追加したアクターが
必ず戦闘にも参加してしまいます。
戦闘に参加せず、隊列だけに加わるキャラを作成できるのが
このプラグインの特徴です。
NPCフォロワープラグインの使い方
それでは、NPCフォロワープラグインの使い方を
紹介していきます。
今回は導入部分を行った後、実際のイベント作成事例を
元にした設定方法を紹介していきます。
NPCフォロワープラグインを有効化しよう
1.制作中のゲームプロジェクトフォルダを開く
2.プラグインを「plugins」フォルダに入れる
3.ツクールMV画面に戻り、『ツール』→『プラグイン管理』を押します。
4.プラグイン画面管理の空白部分し、基本設定画面より今回使用する「NpcFollower」を選び、OKを押します。
5.プラグイン管理画面に下記のような「NpcFollower」が追加されれば有効化完了です。
NPCフォロワープラグインの設定を行う
NPCフォロワープラグインでは、
予めNPCとして歩かせるキャラクターのデータベース登録、
イベントコマンドを使って隊列への追加&削除を行うイベント処理、
プラグインのオプション設定を行う必要があります。
1つずつ確認しながら設定していきましょう。
NPCとして歩かせるキャラクターのデータベース登録
NPCフォロワープラグインでは、NPC(戦闘に参加しないキャラ)として
歩かせる場合も、事前にデータベースでアクターとして作成しておく必要があります。
今回は、救出したお姫様と一緒に歩くという設定で、
『お姫様』という仮アクターを作成していきます。
アクターの作成は「ツール」→「データベース」→「アクター」で行っていきます。
NPCキャラは戦闘に参加するわけではありませんので、
最終的に仲間として登場させる予定がない場合は
歩行グラフィックの設定だけで問題ありません。
データベース側の設定は以上ですが、
この後アクターのIDを使うことになります。
データベースのキャラクター名横にある4桁の数字を
メモしておきましょう。(上記画像の場合、お姫様のIDは0015)
NPCを追加するイベントを作る
次に、実際にNPCを隊列に追加するイベントを作成していきます。
NPCを追加する場合には、イベントコマンドの「プラグインコマンド」を
使って、指定されたプラグイン独自のコマンドを実行する必要があります。
* プラグインコマンド詳細
* イベントコマンド「プラグインコマンド」から実行。
* (パラメータの間は半角スペースで区切る)
*
* NF_NPC追加 4 1 # アクターID[4]をNPCとしてパーティの[1]番目の後ろに追加
* NF_ADD_NPC 5 3 # アクターID[5]をNPCとしてパーティの[3]番目の後ろに追加
* NF_NPC削除 1 # [1]番目に追加したNPCを全て削除
* NF_REM_NPC 3 # [3]番目に追加したNPCを全て削除
今回はNPCをパーティの隊列に追加するので、
「NF_NPC追加 4 1」もしくは「NF_ADD_NPC 5 3」の記述を一部変更して
プラグインコマンドで実行していく必要があります。
イベントの記述法則としてはは
・NF_ADD_NPC [隊列に組み込むアクターID] [パーティ位置のどの後ろに組み込むか]
・NF_NPC追加 [隊列に組み込むアクターID] [パーティ位置のどの後ろに組み込むか]
のいずれかになっています。
今回は「NF_ADD_NPC」を使って記述していきましょう。
まず、[隊列に組み込むアクターID]はアクターのIDです。
データベースのアクター項目を参照し、隊列に組み込むキャラクターの
アクターIDを代入していきます。
今回の事例では、アクターが0015になりますので、
[隊列に組み込むアクターID]は『15』になります。
次に、アクターを隊列のどこに組み込むかです。
今回は4人パーティ制のRPGを仮定して、4番めのキャラクターの
後ろに並ばせてみたいと思います。
4番目のキャラクターの後ろですので、
[パーティ位置のどの後ろに組み込むか]というところは
『4』を代入してあげます。
以上代入しまして、お姫様を追加するコマンドは
『NF_ADD_NPC 15 4』となります。
早速イベントコマンドを作ってみましょう。
イベントコマンド3ページ目のプラグインコマンドをクリックし、
表示されたウィンドウに『NF_ADD_NPC 15 4』と記述します。
今回はよりイベントらしくするために、
お姫様に話しかけると会話が出て、
お姫様が一緒について来てくれるみたいなイメージで構築しました。
実際に実行してみましょう。
会話後、4番目のキャラの後ろにお姫様が付いてきてくれるようになりました。
以上で、NPCキャラを隊列に組み込む方法は完了です。
NPCを外すイベントを作る
プラグインコマンドを使うことで、キャラクターが
ついてきてくれるようになりますが、人によっては
ついてきてくれるNPCキャラクターとの別れイベントを
作りたいという人も多いかと思います。
このプラグインでは、NPCキャラを外すコマンドも用意されています。
* NF_NPC削除 1 # [1]番目に追加したNPCを全て削除
* NF_REM_NPC 3 # [3]番目に追加したNPCを全て削除
NPCフォロワープラグイン(Delusional Field)より引用
実際に、先程の追加イベント事例で隊列に加わった
お姫様を外してみるイベントを作ってみましょう。
今回は英語表記の「NF_REM_NPC」をプラグインコマンドで使っていきます。
今回もプラグインコマンドを使っていきますので、
イベントコマンド3ページ目のプラグインコマンドをクリックし、
表示されたウィンドウに『NF_REM_NPC 4』と記述します。
ちなみに、4にした理由は追加する時に『NF_ADD_NPC 15 4』という
記述を使い、「15番目」のキャラを「パーティの4番目のキャラ」の後ろに
NPCを加えるよーという記述をしたためです。
今回、このお姫様は「パーティの4番目のキャラ」の後ろに
並んでいる設定になっているので、「NF_REM_NPC」の数字を
4に置き換えます。
では、王様の会話で王女様が隊列から離れるイベントのように
会話も加えてみたので、実行してみましょう。
王様の会話が終わると、4番めのキャラの後ろにいた
王女様が消えました。
これで、キャラクターを外すイベントも作成完了です。
最大同時NPC数を調整する
最後に、最大同時NPC数というのを調整していきます。
このプラグインを使ってNPCを増やしたい場合、プラグインの設定で
一度に連れていけるNPC数をプラグイン設定で設定してあげる必要があります。
初期設定は1になっているので、このままではNPCを隊列へ
組み込める人数は1人のみです。
桃太郎のように、3人ぐらい連れていけるような
設定を作ろうと思っても、エラーが出てしまいます。
プラグイン設定のパラメータ→最大同時NPC数をクリックすると
数字が置き換えられるので、並ばせる予定のNPCの数を
半角数字で記入しましょう。
例えば、桃太郎を作るとして「犬」「サル」「キジ」を
非戦闘員として連れて歩きたいのであれば、
「3」を記入すればOKです!
まとめ
今回はNPCフォロワープラグインを紹介してきました。
このプラグインは、戦闘に参加しないキャラクターを
連れて歩くことができるので、お姫様のような護衛キャラを付けるイベント、
お師匠様が後ろで見ている修行イベント、
いたずらで後ろからついてくる子どもなど、色々な表現演出に
繋げていくこともできるプラグインです。
簡単な設定で導入でき、幅広い演出につなげていくことが
できるプラグインですので、騎士や勇者といった守る存在や
護衛する人物との関わりが多い作品などを制作されている方は
導入を検討してみてはどうでしょうか?
*本記事は『NpcFollower.js Version1.01』を元に作成しております』
*プラグインの利用は各自の責任のもとご利用下さい。(プラグイン導入で問題が起きた場合は責任を負えません。バックアップしてからテスト導入をしてご利用下さい。)
*作成画像はRPGツクールMVを利用し作成しております。
RPGツクールMV→(c)2015 KADOKAWA CORPORATION./YOJI OJIMA