今日はクリスマス・イブ。サンタさんが
クリスマスプレゼントを持って、
お空を駆け回っているかもしれません。
RPGでも、おつかいクエストや探索イベントで
特定のアイテムを配る、複数の目的地を訪れていくなど、
行動の回数を重ねていくことが物語の主体になる作品もあると思います。
そういった数値系が物語の進度に大きく関わる
作品では、「数値の残数」などで物語の進捗を
把握しやすいこともあります。
例えば、7つのボールを集めるRPGであれば、
「現在いくつのボールを持っているか?」という情報により、
進捗度合いを示す一つの座標になります。
今回は、そんな数値が重要なRPGで、
プレイヤーがセーブデータを見た時により
進捗管理をしやすくできるようなプラグイン、
「セーブデータラベル」の導入方法を
紹介していこうと思います。
セーブデータラベルとは?
セーブデータラベルは、セーブ・ロード画面に表示される
セーブデータ項目に「特定の変数の数字」を
表記することができるプラグインです。
通常のツクールMVセーブ・ロード項目では、
上記画像のように「パーティキャラクター」「ゲームタイトル」「プレイ時間」が
表示され、プレイヤーは古いデータかどうかをプレイ時間で
把握することになると思います。
このプラグインを導入すると、ゲームタイトルの右側に
変数の数字情報を追記できるようになるため、
プレイヤーのセーブ画面による進捗管理を手助けできるような
セーブ・ロード画面の提供ができるようになります。
制作は国内外から人気のプラグインを公開されている
tomoakyさんになります。
■プラグイン公開ページ
セーブデータラベル | ひきも記は閉鎖しました。
導入に必要なもの
- プラグイン本体(上記公開ページでDLできるTMSaveDataLabel.js)
セーブデータラベルでは、すべての設定をツクールMV上で実施していきます。
必要な画像データなどはございませんので、プラグイン本体のみで
動かすことが可能です。
このプラグインを導入するとどんなことができるの?
このプラグインを導入することで、以下のような効果が狙えます。
- 数値情報を使ってプレイヤーの進捗管理を手助けする
数値が増えていく・減っていくことが重要なキーとなる
ゲームにおいて、セーブデータで数値情報を伝えることで
プレイヤーが過去データの進捗管理をしやすくなります。
また、集まる数が決まっている(例えばボールを7個集めるRPG)場合は
数字を通してプレイヤーが「現在序盤か終盤か」というのを
予測させやすくすることもできます。
セーブデータラベルの使い方
それでは、実際にセーブデータラベルの導入から
設定までを紹介していこうと思います。
セーブデータラベルを有効化しよう
1.制作中のゲームプロジェクトフォルダを開く
2.プラグインを「plugins」フォルダに入れる
3.ツクールMV画面に戻り、『ツール』→『プラグイン管理』を押します。
4.プラグイン画面管理の空白部分し、基本設定画面より今回使用する「TMSaveDataLabel」を選び、OKを押します。
5.プラグイン管理画面に下記のような「TMSaveDataLabel」が追加されれば有効化完了です。
表示させる数の設定を行う
プラグイン管理よりTMSaveDataLabelをクリックし、
基本設定項目を変更して表示させる数に関する設定を行います。
今回は「集めた玉の数」と「仲間にしたキャラ」という2つの項目を
表示する設定事例を通して、導入方法を紹介していきます。
上の段に表示させる表記と数字を決める
まずは上の段に表示させる数字の設定を行っていきます。
今回は
「集めた玉の数 変数の数値 個」と表示されるようにします。
上記画像で言えば、変数の数値は7。玉を7個集めた時点のセーブデータ
ですよーみたいなイメージです。
この項目の設定は、プラグイン項目の
詳細設定から行っていきます。
ツクールMV画面より、「ツール」→「プラグイン管理」をクリックし、
先程追加した「TMSaveDataLabel」をクリックして、
セーブデータラベルプラグインの基本設定項目を開きます。
パラメータ項目を見てみましょう。
パラメータ項目にある名前欄が「laverA」から始まる
4つの項目が上段の表記に関わってきます。
まずは「LavelAName」という項目をクリックしましょう。
この項目では、上段の変数の数値前に表示する
文字表記を設定しています。
デフォルトは「ラベルA」となっているので、
デフォルトのまま起動するとこんな感じになります。
右側に青文字で「ラベルA」という表記があると思います。
この文字表記によって、プレイヤーに何の数なのかを
伝えることができます。
今回の例では、玉集めのRPGを作ると仮定して
球の所持数を表記します。そのため、わかりやすく
「集めた玉の数」としてみましょう。
表示させたいものを記入したら、OKで確定していきます。
実際にテストプレイするとこんな感じに変化します。
次は、表記する数字を管理する変数の番号を決めます。
「LavelAId」をクリックしましょう。
この項目では、表示させる変数の番号を設定します。
デフォルトでは「10」が設定されており、
「変数10」の数字が代入されます。
今回は変数10をそのまま玉の数管理用に使っていきます。
表示させたい数の管理に使っている変数を
半角数字で入力しましょう。
次に、「labelAMax」の設定です。
これは、セーブラベルに表記する数字の上限を設定します。
初期設定では「9999」になります。
例えば、先程の「LavelAId」設定で変数10を設定していた場合で、
変数10に「50000」が代入されていた場合でも、
「labelAMax」が9999であれば、セーブデータに表示されるのは「9999」になります。
文字の羅列を長くしすぎたくない場合などに活用します。
また、後述する設定で「labelAMax」で制定した数字になっていると
文字色を変えられるような設定もできます。
(例えば、7つ玉を手に入れるRPGで、7個になると数字の色を変えるとかもできます)
特にデフォルトの「9999」から変更は必要ありませんが、
作品に合わせて変更を行ってみましょう。
最後が「labelAFooter」の設定です。デフォルトは空白です。
これは、数字の後ろに表示する文字を入力します。
今回の事例では変数を使って表示した数の後ろに
玉の数の単位「個」を記入しようと思っています。
「個」を入力してOKを押しましょう。
以上で、上段の設定は終了です。
一度見直してみましょう。
「labelA」から始まる4項目の入力が確認できたら、
実際にテストプレイしてみましょう。
「labelAName」に入力した文字表記
「labelAId」で入力した番号の変数に設定されている数(画像であれば初期のままなので0)
「labelAFooter」に入力した文字表記
が表示されていると思います。
下の段に表示させる表記と数字の設定をする
次に下段の設定を行っていきます。
ここで見てほしいのが、上段までに設定した項目の
テストプレイ画面です。
下段の部分には、何も表示がありません。
これは、下段を設定する項目の一つ「labelBId」に
原因があります。
下段の設定は、「labelB」から始まる4項目で設定していきます。
「labelA」が「labelB」に変わった以外、全て同じ表記になっていますよね。
Aで設定したのと同じで、「labelBName」は下段に表示する数字の前につける文字列、
「labelBId」は下段に表示する数字を管理している変数の数字、
「labelBMax」は表示する数の上限値、「labelBFooter」は数字の後ろにつける単位などの数です。
基本的な設定はAのときと同じですが、
「labelBId」だけチェックしてみましょう。
labelBでは、初期設定として0が設定されています。
変数0というのは、ツクールにありませんよね。
実は、この「labelBId」項目を0に設定していると、
下段は表示しないという設定になります。
ですので、この項目を表示する変数の番号に変えてみます。
今回は、変数11を表示する数字の管理に使っていくので、
半角数字で「11」と記入します。
実際にテストプレイしてみましょう。
下の段が表示されるようになリました!
あとは、「labelBName」「labelBMax」「labelBFooter」を
Aのときと同じように設定するだけです。
今回は「仲間にしたキャラ●人」(●には変数11の数を入力)するように
していくので、次のような設定に変更します。
最後にテストプレイをしてみましょう。
無事セーブデータが反映されました。
表示する数の管理に使っている変数10、変数11が
初期設定のままですので、試しに変数操作で
変数10に「7」、変数11に「15」を代入してみましょう。
イベントコマンドの変数操作でそれぞれの変数に
数を代入するイベントを発動してから再度セーブデータを見てみましょう。
変数10、変数11で設定した数字が反映されました。
以上で、基本的な使い方の解説は終了です。
上級 表示項目のデザインを設定していく
以降は、上級者向けです。
このセーブデータラベルのプラグインには、
表示するラベルのデザインに関する設定項目も
プラグインのパラメータに用意されています。
デザイン関係はセンスが問われるので、
基本的には変えない、変えたとしても「色」の項目だけに
することをオススメしておきます。
簡単にですが、各項目を紹介していきます。
「labelNameWidth」と「labelValueWidth」は
ラベルの文字列や数字の幅を調整します。
幅を広くしたい、狭くしたいとい場合に調整しましょう。
「labelNameColorId」はラベル名の文字色を変更します。
ツクールの文字色を半角で入力します。
「labelAName」と「labelBName」の色が変わります・
■「labelNameColorId」を5に変更した例
▲「集めた玉の数」と「仲間にしたキャラ」の文字色が変化している
■ツクールの文字色がわからない方へ
参考:町の人を作る | RPGツクールMV 初心者講座
参考:【ツクールMV】文字色ってどうやって変えるんだっけ | ゲームこもごも
参考:ツクールMVテキストカラーサンプル一覧 | プログラミング素人がゲームを作る
「labelValueColorId」は変数が代入する
数字部分の文字色を設定します。
■「labelValueColorId」を5にした事例
▲7と15の数字部分の文字色が変化している
「labelMaxColorId」は、変数の数が「labelAMax」・「labelBMax」で
制定した数になったと気に数字部分の色変化を及ぼさせる色設定です。
上記は上段のラベルAが最大値未満、下段が「labelBMax」の初期設定値9999を
代入した事例になります。
上段は最大値未満なので「labelValueColorId」の色が反映され、
下段は最大値異常なので「labelMaxColorId」の色が反映されます。
色変化をつけることで、上限値に達したことをより明確に
しやすくなるので、終盤ですよー、これ異常集められませんよー
というようなPR強化につながります。
最後が「labelFooterColorId」です。
これは「labelAFooter」「labelBFooter」で
設定した、数字の後ろにつく文字の色変更です。
■「labelFooterColorId」を5にした事例
▲個と人の部分の文字色が変化している
以上でデザイン系の設定は終了になります。
お疲れ様でした。
まとめ
今回はゲーム内で使われている数字情報を
セーブデータに掲載できるようなセーブ・ロード画面のレイアウトを
追加できるプラグインを紹介してきました。
プレイ時間だけでもある程度ユーザーが
「どれくらい古いデータなのか?」というものは
把握できると思います。
しかし、例えばマルチエンディングを搭載しているような作品で
「分岐点になっている玉を5個集めた時点から再会したい!」
と思ったときには、プレイ時間を一つずつ確認していくのは
面倒に感じてしまう可能性があると思います。
簡単に設定でき、ユーザービリティをあげるきっかけにも
なるセーブ周りプラグインの一つですので、
数字系が関連するフリーゲームや同人ゲーム制作に
導入を検討してみてはどうでしょうか?
*本記事は『TMSaveDataLabel.js Version2.00』を元に作成しております』
*プラグインの利用は各自の責任のもとご利用下さい。(プラグイン導入で問題が起きた場合は責任を負えません。バックアップしてからテスト導入をしてご利用下さい。)
*作成画像はRPGツクールMVを利用し作成しております。
RPGツクールMV→(c)2015 KADOKAWA CORPORATION./YOJI OJIMA